溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
***
朝一で日和美が渡しているのとは別の携帯が鳴って。
信武はそこに届いたらしいメッセージを確認するなり小さく吐息を落とした。
信武がスマートフォンを二台持ちしていることにその連絡で初めて気が付いた日和美が、スマホを手にしたままの信武の手元を見詰めたら、「仕事用の携帯だ。ろくな連絡ねぇし、余り持ちたかねぇんだけど……ずっと放置しとくわけにゃいかねぇし……。家から持ってきたんだよ」と見せてくれる。
そのスマートフォンは、日和美が過日不破のために用意したものよりかなり上位の機種で。
「……私が渡したの、いらないんじゃ」
思わずそう言ってしまったら、ムッとした顔をされた。
「あっちのは日和美専用だ」
言いながらも、「あー、けど……通信費がお前持ちなのは頂けねぇな」とかブツブツ言って来て。
朝のバタバタしている時間だったからその辺はまたおいおい考えようということで適当に話をまとめてキッチンに立った日和美だ。
***
「なぁ唐突で悪ぃんだけど俺、今日からしばらくの間、帰って来んの日和美より遅くなると思うわ」
手にした仕事用のスマホを一瞥して、信武がどことなくバツの悪そうな顔でそんなことを言ってくるから。
日和美は思わず朝食の支度をする手を止めてアイランドキッチン越し。信武の方を見詰めてしまった。
だって余りにも急な話だったから。
朝一で日和美が渡しているのとは別の携帯が鳴って。
信武はそこに届いたらしいメッセージを確認するなり小さく吐息を落とした。
信武がスマートフォンを二台持ちしていることにその連絡で初めて気が付いた日和美が、スマホを手にしたままの信武の手元を見詰めたら、「仕事用の携帯だ。ろくな連絡ねぇし、余り持ちたかねぇんだけど……ずっと放置しとくわけにゃいかねぇし……。家から持ってきたんだよ」と見せてくれる。
そのスマートフォンは、日和美が過日不破のために用意したものよりかなり上位の機種で。
「……私が渡したの、いらないんじゃ」
思わずそう言ってしまったら、ムッとした顔をされた。
「あっちのは日和美専用だ」
言いながらも、「あー、けど……通信費がお前持ちなのは頂けねぇな」とかブツブツ言って来て。
朝のバタバタしている時間だったからその辺はまたおいおい考えようということで適当に話をまとめてキッチンに立った日和美だ。
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「なぁ唐突で悪ぃんだけど俺、今日からしばらくの間、帰って来んの日和美より遅くなると思うわ」
手にした仕事用のスマホを一瞥して、信武がどことなくバツの悪そうな顔でそんなことを言ってくるから。
日和美は思わず朝食の支度をする手を止めてアイランドキッチン越し。信武の方を見詰めてしまった。
だって余りにも急な話だったから。