溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
(あ! そうだ、電子書籍……!)
そこでふとそう思い至って、検索ワードに『ひとりぼっちの竜王と、嫌われものの毒姫さま』と入れて検索してみたけれど、電子でもその作品は出回っていなかった。
古本も視野に入れて検索を掛けてみたけれど、見事なくらい引っ掛からなくて。
十六年も前の作品だし、仕方ないかなと意気消沈した日和美だ。
ファンタジー作品大好きな日和美としては、読んでみたかったのだけれど。
信武本人に頼めば読むことは可能かもしれないけれど、今はしばらく信武とは話したくなかったから。
はぁ、と小さく吐息を落とすと、日和美はスマートフォンをテーブルの上に置いた。
と、程なくしてまたブブッとバイブ鳴って、『もしかしてスマホ置き去り?』と今更気付きましたかね、という文言が表示されて。
日和美が「はいその通りですよー」と嘘の言い訳をポツンとつぶやいたところで『会いたかったけど俺も仕事押してるからとりあえず帰る』と届いた時には心底ホッとした。
それと同時、(ねぇ信武さん。忙しいって本当? 綺麗なポニーテールさんと逢い引きする時間はあったのに? 私に会いにきてくれたのだって、後ろめたかったからなんじゃないの?)とか卑屈なことを思って……。
そんな自分が心底嫌でキリリと胃が締め付けられるみたいに痛んだ。
そこでふとそう思い至って、検索ワードに『ひとりぼっちの竜王と、嫌われものの毒姫さま』と入れて検索してみたけれど、電子でもその作品は出回っていなかった。
古本も視野に入れて検索を掛けてみたけれど、見事なくらい引っ掛からなくて。
十六年も前の作品だし、仕方ないかなと意気消沈した日和美だ。
ファンタジー作品大好きな日和美としては、読んでみたかったのだけれど。
信武本人に頼めば読むことは可能かもしれないけれど、今はしばらく信武とは話したくなかったから。
はぁ、と小さく吐息を落とすと、日和美はスマートフォンをテーブルの上に置いた。
と、程なくしてまたブブッとバイブ鳴って、『もしかしてスマホ置き去り?』と今更気付きましたかね、という文言が表示されて。
日和美が「はいその通りですよー」と嘘の言い訳をポツンとつぶやいたところで『会いたかったけど俺も仕事押してるからとりあえず帰る』と届いた時には心底ホッとした。
それと同時、(ねぇ信武さん。忙しいって本当? 綺麗なポニーテールさんと逢い引きする時間はあったのに? 私に会いにきてくれたのだって、後ろめたかったからなんじゃないの?)とか卑屈なことを思って……。
そんな自分が心底嫌でキリリと胃が締め付けられるみたいに痛んだ。