溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
そうして眉根を寄せてこめかみに手を当てると、
「あの……すみません。……よく思い出せないんですが、僕は誰で……一体何をしていたんでしょう?」
そう言って、日和美をすがるような目で見つめてきた。
「……どうやら僕は記憶を失くしてしまったみたいです」
「き、おく……そーしつ?」
「はい……」
弱り顔の美形くんに投げ掛けるには間が抜けている上に全く実りのない言葉なのは分かっていたけれど、日和美だってわけが分からないのだから仕方がない。
目を白黒させる日和美に、眼前の彼の顔が見る間に曇って。
(ああああ、そんなお顔しないでっ)
その表情を見たら、何とかしなければ!と思ってしまった。
「わ、私が知ってるのはこの道をあちらの方から歩いていらしたことだけですっ。あ、あとは……えっと……今こうして目が覚めるまでの間、私が敷いたその掛け布団に横たわっていらっしゃいました」
そこまで言ってじっと彼を見つめたら、日和美が指差した方角を振り返ってから、
「ダメです。何も……思い出せません。日和美さん?は……僕の名前を知っていますか?」
ふわふわな彼が、落胆した表情で、小さく吐息を落とした。
「あの……すみません。……よく思い出せないんですが、僕は誰で……一体何をしていたんでしょう?」
そう言って、日和美をすがるような目で見つめてきた。
「……どうやら僕は記憶を失くしてしまったみたいです」
「き、おく……そーしつ?」
「はい……」
弱り顔の美形くんに投げ掛けるには間が抜けている上に全く実りのない言葉なのは分かっていたけれど、日和美だってわけが分からないのだから仕方がない。
目を白黒させる日和美に、眼前の彼の顔が見る間に曇って。
(ああああ、そんなお顔しないでっ)
その表情を見たら、何とかしなければ!と思ってしまった。
「わ、私が知ってるのはこの道をあちらの方から歩いていらしたことだけですっ。あ、あとは……えっと……今こうして目が覚めるまでの間、私が敷いたその掛け布団に横たわっていらっしゃいました」
そこまで言ってじっと彼を見つめたら、日和美が指差した方角を振り返ってから、
「ダメです。何も……思い出せません。日和美さん?は……僕の名前を知っていますか?」
ふわふわな彼が、落胆した表情で、小さく吐息を落とした。