溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
身なりや〝僕〟という口調から判ずるに、彼はそれ程貧乏な暮らしをしている人ではない気がすると思った日和美だ。
そこでポン!と手を打つと、
「そうだ! 何か身元の分かる物とか身に付けていらっしゃいませんか?」
普通ちょっとそこまで、という時にだって、何かしら持って出るものだと思う。
日和美の言葉に、彼はパァッと明るい顔になって立ち上がろうとして。
自分が地べたに敷かれた布団の上にいることに気がついて、慌てて靴を脱いで布団のそばに綺麗に並べた。
(レジャーシートですかっ!)
その様に思わず笑ってしまいそうになった日和美だったけれど、彼は至極真面目なのだと気が付いてグッと堪える。
「すみません。僕のせいで布団を汚してしまいました」
申し訳なさそうにしょげる彼に、日和美はフルフルと首を振った。
元はと言えば自分が彼の上に布団を落っことしたのが原因だ。
「あの……謝らないといけないのはこっちの方です。私のせいで……〝ふわふわさん〟を酷い目に遭わせてしまって……。本当にすみません!」
「ふわふわ……?」
全体的にふわふわな印象の人だと思っていたのがつい口に出てしまって、眼前の彼にキョトンとされてしまう。
「あっ、すみません。髪の毛とかふわふわで綺麗だなって思ってたのでつい……」
そこでポン!と手を打つと、
「そうだ! 何か身元の分かる物とか身に付けていらっしゃいませんか?」
普通ちょっとそこまで、という時にだって、何かしら持って出るものだと思う。
日和美の言葉に、彼はパァッと明るい顔になって立ち上がろうとして。
自分が地べたに敷かれた布団の上にいることに気がついて、慌てて靴を脱いで布団のそばに綺麗に並べた。
(レジャーシートですかっ!)
その様に思わず笑ってしまいそうになった日和美だったけれど、彼は至極真面目なのだと気が付いてグッと堪える。
「すみません。僕のせいで布団を汚してしまいました」
申し訳なさそうにしょげる彼に、日和美はフルフルと首を振った。
元はと言えば自分が彼の上に布団を落っことしたのが原因だ。
「あの……謝らないといけないのはこっちの方です。私のせいで……〝ふわふわさん〟を酷い目に遭わせてしまって……。本当にすみません!」
「ふわふわ……?」
全体的にふわふわな印象の人だと思っていたのがつい口に出てしまって、眼前の彼にキョトンとされてしまう。
「あっ、すみません。髪の毛とかふわふわで綺麗だなって思ってたのでつい……」