溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
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「あ、そう言えば信武さん、『ある茶葉店店主の淫らな劣情』、読み終わりましたよ」
お互い好き同士のはずなのに、日和美の月のもののせいで今まで通り添い寝のみで悶々とした一夜を明かした翌朝。
そんな信武とは真逆でよく眠れたのだろう。すっきりとした表情でほかほかのクロワッサンをちぎりながら、日和美がニコッと微笑んだ。
今日の朝食は少し大きめのクロワッサンと、カボチャのポタージュスープ、目玉焼き、ハーブ入りソーセージ、サラダ……と言った、ホテルの朝食みたいなお洒落な洋食。
クロワッサンは日和美の職場近くにあるパン屋の人気定番商品を、昨日仕事帰りに買っておいたらしい。
それは、軽くトーストしただけでバターの香りがふわりと広がる、食欲をそそられる三日月パンだった。
ポタージュスープは、日和美があらかじめ一口大に切って蒸かしていたカボチャを冷凍庫から数欠片取り出してレンジで解凍した後、牛乳とコンソメを入れてミキサーにかけてから鍋で温めたものだ。
スープカップの中でふわりふわりと湯気をくゆらせるトロリとしたスープの表面には、乾燥パセリまで散らされているという憎らしさ。
それに加えてクロワッサン横。
美味しそうに軽く焦げ目の付けられたハーブ入りソーセージも日和美の手作りだと聞いた時には、信武は心底驚いて。
「あ。って言っても腸とか買えなかったのでラップに包んで蒸しただけの皮なしソーセージなんですけどね」
何でも豚ミンチに香草やスパイスを入れて一晩寝かせたものを、ラップに包んで蒸したものが冷凍してあったらしい。
それを取り出してレンジで温めてから、フライパンで焼き目を付けたのだと言う。
それだけでも十分なのに、キュウリやレタス、ミニトマトを添えたサラダに、目玉焼きまで付けてくれて……。
若いのに、日和美は本当に手際よく料理をする女性だなと改めて感心した信武だ。
「あ、そう言えば信武さん、『ある茶葉店店主の淫らな劣情』、読み終わりましたよ」
お互い好き同士のはずなのに、日和美の月のもののせいで今まで通り添い寝のみで悶々とした一夜を明かした翌朝。
そんな信武とは真逆でよく眠れたのだろう。すっきりとした表情でほかほかのクロワッサンをちぎりながら、日和美がニコッと微笑んだ。
今日の朝食は少し大きめのクロワッサンと、カボチャのポタージュスープ、目玉焼き、ハーブ入りソーセージ、サラダ……と言った、ホテルの朝食みたいなお洒落な洋食。
クロワッサンは日和美の職場近くにあるパン屋の人気定番商品を、昨日仕事帰りに買っておいたらしい。
それは、軽くトーストしただけでバターの香りがふわりと広がる、食欲をそそられる三日月パンだった。
ポタージュスープは、日和美があらかじめ一口大に切って蒸かしていたカボチャを冷凍庫から数欠片取り出してレンジで解凍した後、牛乳とコンソメを入れてミキサーにかけてから鍋で温めたものだ。
スープカップの中でふわりふわりと湯気をくゆらせるトロリとしたスープの表面には、乾燥パセリまで散らされているという憎らしさ。
それに加えてクロワッサン横。
美味しそうに軽く焦げ目の付けられたハーブ入りソーセージも日和美の手作りだと聞いた時には、信武は心底驚いて。
「あ。って言っても腸とか買えなかったのでラップに包んで蒸しただけの皮なしソーセージなんですけどね」
何でも豚ミンチに香草やスパイスを入れて一晩寝かせたものを、ラップに包んで蒸したものが冷凍してあったらしい。
それを取り出してレンジで温めてから、フライパンで焼き目を付けたのだと言う。
それだけでも十分なのに、キュウリやレタス、ミニトマトを添えたサラダに、目玉焼きまで付けてくれて……。
若いのに、日和美は本当に手際よく料理をする女性だなと改めて感心した信武だ。