溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
その朝食を前に「いただきます」をして。
熱々のミルクティーを一口飲んだタイミングで、日和美が信武の本を読了したと報告してきたのだ。
「茶葉店の描写とかお茶についての雑学とか……お茶の淹れ方とか……すっごく丁寧に描かれていてびっくりしました! 信武さん、本当博識なんですね」
「あ? ああ。……まぁ、それなりに調べた……から」
ファンレターをもらうことは多々あっても、面と向かって読者から読了報告をもらうことは少ない。
寝不足なところへもってきて、慣れないことをされた信武は、何だか妙に気恥ずかしくなったのだけれど。
そんな彼の様子なんてお構いなしに日和美が続ける。
「萌風もふ先生も紅茶王子のお話を書いてらして……。あの時も紅茶について知らないことだらけで滅茶苦茶驚かされたんですけど……正直あの時と同じくらい感動しました! ……あと」
そこでゴニョリと口ごもった日和美が、ローテーブル越し、どこか窺うような視線を信武へ向けてくる。
「――?」
その眼差しを信武が真正面から受けたと同時、日和美が「……その、え、エッチなシーンが物凄くいやらしくて照れました」とか……小学生の作文か!という感想を真っ赤な顔をして言うから。
何だか信武まで恥ずかしくなってしまった。
「……そうか」
それで、何と答えたらいいのか分からなくて。
自分でももっと言いようがあるだろう!と言う素っ気ない返しになったのだけれど。
その反応を不満と受け取ったのか、日和美が焦ったみたいに続けてきた。
熱々のミルクティーを一口飲んだタイミングで、日和美が信武の本を読了したと報告してきたのだ。
「茶葉店の描写とかお茶についての雑学とか……お茶の淹れ方とか……すっごく丁寧に描かれていてびっくりしました! 信武さん、本当博識なんですね」
「あ? ああ。……まぁ、それなりに調べた……から」
ファンレターをもらうことは多々あっても、面と向かって読者から読了報告をもらうことは少ない。
寝不足なところへもってきて、慣れないことをされた信武は、何だか妙に気恥ずかしくなったのだけれど。
そんな彼の様子なんてお構いなしに日和美が続ける。
「萌風もふ先生も紅茶王子のお話を書いてらして……。あの時も紅茶について知らないことだらけで滅茶苦茶驚かされたんですけど……正直あの時と同じくらい感動しました! ……あと」
そこでゴニョリと口ごもった日和美が、ローテーブル越し、どこか窺うような視線を信武へ向けてくる。
「――?」
その眼差しを信武が真正面から受けたと同時、日和美が「……その、え、エッチなシーンが物凄くいやらしくて照れました」とか……小学生の作文か!という感想を真っ赤な顔をして言うから。
何だか信武まで恥ずかしくなってしまった。
「……そうか」
それで、何と答えたらいいのか分からなくて。
自分でももっと言いようがあるだろう!と言う素っ気ない返しになったのだけれど。
その反応を不満と受け取ったのか、日和美が焦ったみたいに続けてきた。