溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
「だっ、大丈夫です! 先ほどもお話しました通り、そもそも貴方をこんな道端で押し倒して気絶させちゃった責任は私にあるんです! きっ、記憶が戻るまでの間、きっちり〝ちゃっかり〟面倒を見させて頂きます!」

 頭のことだし、お茶の後は一旦病院へ行って、と思った日和美(ひなみ)の手を、大きくてふんわりとした手のひらが包み込んでくる。

「有難う、ございます……」

 その言葉にうっとりしながら「うんうん」と(うなず)いて。
 彼の柔らかな手は、断じて力仕事を生業(なりわい)とするような労働者のものではないな?と思った日和美だ。


(まっか)せなさぁぁぁーい!」

 気が付けば、ヒナ鳥を守る親の気持ちで意味もなく胸を張ってしまっていた。


 山中日和美・二十三歳。

 布団を落っことしたお陰で、王子様のように素敵な、ふわっふわな男性を拾いました!
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