溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
「日和美が言ったんだろ? 俺の彼女は自分なのにって」
掴まれた指先にチュッとキスを落とされて、日和美は信武の柔らかな唇の感触に思わずビクッと身体を震わせた。
「俺は茉莉奈を寝室へ入れたことは一度もねぇし、あいつ相手にこんなこともしねぇ」
口付けを落とされて、驚きの余りギュッと握りしめた日和美の指と指の間へ温かな舌を這わせると、信武が鋭い視線で日和美を見下ろしてくる。
「やっ、信武さっ、それ、くすぐった……ぃ」
くすぐったいと気持ちいいは紙一重。
ゾクゾクと背中を這い上ってくるこの感覚が、どちらに傾くか、実際微妙なところなのだ。
――もし後者になったら困る!
そう思った日和美は、懸命に手を引こうとしたのだけれど、信武にガッシリと握られていて逃げさせてもらえない。
「なぁ、俺、さっき言ったよな? お前も俺のこと、呼び捨てにすればいいって」
手を放してもらえないまま。
信武がじっと挑むみたいに日和美を見下ろしてくるから……。
日和美はダメだと思うのにそんな彼から目を逸らせない。
「そ、んなのっ、何の切っ掛けもないのにいきなりは無理ですっ」
それでも懸命に何とか反論出来たのは我ながら偉いと思った日和美だ。
なのに――。
「ふぅーん。切っ掛け、ねぇ。――だったら……俺がそれを与えてやろう」
「ふぇっ!?」
言うなりニヤリと笑った信武に、日和美は嫌な予感しかしない。
「お前が俺のこと、〝信武〟って呼べるようになれるためのゲームをしようか」
「ゲーム……?」
それはきっとトランプとかボードゲームとか……そういう類いのものではないと、信武の表情を見れば分かる。
「今からお前が俺のことを〝さん付け〟するたび、ペナルティを課してやるよ」
「えっ!?」
ゲームと言うからには、日和美にだって何か利点がないといけないはずだ。
「で、でもっ! それだと私には何のメリットもない気がします!」
それで、一生懸命そう反論したのだけれど――。
掴まれた指先にチュッとキスを落とされて、日和美は信武の柔らかな唇の感触に思わずビクッと身体を震わせた。
「俺は茉莉奈を寝室へ入れたことは一度もねぇし、あいつ相手にこんなこともしねぇ」
口付けを落とされて、驚きの余りギュッと握りしめた日和美の指と指の間へ温かな舌を這わせると、信武が鋭い視線で日和美を見下ろしてくる。
「やっ、信武さっ、それ、くすぐった……ぃ」
くすぐったいと気持ちいいは紙一重。
ゾクゾクと背中を這い上ってくるこの感覚が、どちらに傾くか、実際微妙なところなのだ。
――もし後者になったら困る!
そう思った日和美は、懸命に手を引こうとしたのだけれど、信武にガッシリと握られていて逃げさせてもらえない。
「なぁ、俺、さっき言ったよな? お前も俺のこと、呼び捨てにすればいいって」
手を放してもらえないまま。
信武がじっと挑むみたいに日和美を見下ろしてくるから……。
日和美はダメだと思うのにそんな彼から目を逸らせない。
「そ、んなのっ、何の切っ掛けもないのにいきなりは無理ですっ」
それでも懸命に何とか反論出来たのは我ながら偉いと思った日和美だ。
なのに――。
「ふぅーん。切っ掛け、ねぇ。――だったら……俺がそれを与えてやろう」
「ふぇっ!?」
言うなりニヤリと笑った信武に、日和美は嫌な予感しかしない。
「お前が俺のこと、〝信武〟って呼べるようになれるためのゲームをしようか」
「ゲーム……?」
それはきっとトランプとかボードゲームとか……そういう類いのものではないと、信武の表情を見れば分かる。
「今からお前が俺のことを〝さん付け〟するたび、ペナルティを課してやるよ」
「えっ!?」
ゲームと言うからには、日和美にだって何か利点がないといけないはずだ。
「で、でもっ! それだと私には何のメリットもない気がします!」
それで、一生懸命そう反論したのだけれど――。