溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
「や、んっ」

 それだけでもしんどいのに、下の方へ伸ばされた手で、クロッチ越し、敏感な肉芽をスリリ……と撫でるようにやんわりと押しつぶされたからたまらない。
 日和美(ひなみ)は、ビクッと身体を跳ねさせて目の端に生理的な涙をにじませた。

「それ、ヤっ……!」

 日和美は思わず胸から手を放して、下へ触れる信武(しのぶ)の手を必死で押さえて抗議の声を上げる。

「ひゃんっ」

 だが、まるでそれを待っていたみたいに無防備にさらされた薄い色付きの先端をぱくりと(くわ)えられて、日和美は「あぁんっ」と小さく(あえ)いだ。

 自身で陰核(した)に触れることが怖い処女の日和美にとって、一人エッチの際に触れる最大の性感帯は胸の突起にほかならない。

 そこを、温かく湿った口で責め立てられて、感じないはずがないではないか。

「……信、武《《さん》》っ、ダメっ」

 必死に抵抗しながらイヤイヤする日和美の乳首をチュッと音を立てて上方へ吸い上げるようにして解放すると、信武がスッと獰猛(どうもう)な目つきに変わる。

「また言ったな」

 その声に、(うる)んだ目でぼんやり見詰めた信武の顔のすぐ手前。
 彼の唾液に濡れ光った胸の先端が、ほんのり鬱血(うっけつ)して赤く色づいていて。
 やたら艶色(いろ)めいて見えた。


「お前、ホント学習能力ねぇな」

 どこかぼぉーっとした日和美を視界にとらえたまま、ククッと押し殺したような声音で信武が笑うから。
 日和美はわけも分からないまま「ふぇっ?」と間の抜けた声を上げて。信武に、「まさか気付いてねぇの?」と微笑まじりに見下ろされた。

 それと同時、信武がショーツに手を掛けるから。

「やっ、ダメっ」

 下方へ伸ばされたままの信武の腕を押さえていた手に力を込めて、下着を下ろされないよう頑張った日和美だったのだけれど。
 信武はそれさえお見通しみたいにいとも簡単にスルリと日和美の足から下着を抜き取ってしまう。

 小さな布地が肌を離れる際、トロリと股布と秘所との間に微かに糸が繋がったのを感じた日和美は、羞恥心(しゅうちしん)でモジモジと太ももをすり合わせた。
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