溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
日和美からもつい今し方音信不通宣言を出されてしまったし、これはある意味その間に雑事をこなしておけと言う神の啓示かも知んねぇなと考え方を切り替えた信武は、明朝早速不動産屋に出向くことを決めた。
正直引っ越したいと考えてから無駄に時間ばかり経っていたのも事実だし、今すぐ伺いますと言いたいところだったが、物件を見るのに陽が沈みつつある時間帯を選ぶのは得策ではない。
明るくなってから下見をして……もし気に入ればそのまま契約して引っ越しの手配に移るという流れもありだなと考えて。
もしそうなれば、萌風としての新刊の仕事はひと段落付いたばかりだけれど、今度は立神信武としての原稿も待っているし、忙しくなるだろう。
正直なところ、バタバタと立ち居振舞っていれば二、三日くらいあっという間に過ぎる……と自分に言い聞かせたかっただけの信武だ。
なのに――。
不動産屋からの電話を切って、じゃあもう一仕事頑張るかね……と伸びをしたところで、突然部屋の中が一瞬だけフラッシュを焚いたみたいに明るくなって。
何事だ?と思う間もなく地響きを伴ったドォォォォン!と言う物凄い音がした。
「……雷?」
雨なんか降ってたか?と不審に思いながら外を見たら、程なくしてざぁーっという音とともに大雨が降り始めて。
いわゆるゲリラ豪雨と言うやつだなと思った信武だったけれど、雨が降り始める前に見遣った外は、明らかに日和美の家の方角の方がこちらより煙って見えた。
恐らくはあちら側からこちら側に向けて雲が流れてきているんだろう。
正直引っ越したいと考えてから無駄に時間ばかり経っていたのも事実だし、今すぐ伺いますと言いたいところだったが、物件を見るのに陽が沈みつつある時間帯を選ぶのは得策ではない。
明るくなってから下見をして……もし気に入ればそのまま契約して引っ越しの手配に移るという流れもありだなと考えて。
もしそうなれば、萌風としての新刊の仕事はひと段落付いたばかりだけれど、今度は立神信武としての原稿も待っているし、忙しくなるだろう。
正直なところ、バタバタと立ち居振舞っていれば二、三日くらいあっという間に過ぎる……と自分に言い聞かせたかっただけの信武だ。
なのに――。
不動産屋からの電話を切って、じゃあもう一仕事頑張るかね……と伸びをしたところで、突然部屋の中が一瞬だけフラッシュを焚いたみたいに明るくなって。
何事だ?と思う間もなく地響きを伴ったドォォォォン!と言う物凄い音がした。
「……雷?」
雨なんか降ってたか?と不審に思いながら外を見たら、程なくしてざぁーっという音とともに大雨が降り始めて。
いわゆるゲリラ豪雨と言うやつだなと思った信武だったけれど、雨が降り始める前に見遣った外は、明らかに日和美の家の方角の方がこちらより煙って見えた。
恐らくはあちら側からこちら側に向けて雲が流れてきているんだろう。