溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
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 和洋中、色々食べられる庶民の味方。ファミリーレストラン『ガストン』でチーズハンバーグセットを頼もうと決めた日和美(ひなみ)は、不破(ふわ)が何を選ぶのか興味津々。

 目の前に座ってメニューを眺める不破をちらちら・ソワソワと見つめた。

 不破は洋食セットの箇所を素通りすると、定食がずらりと並んだページをじっと眺めていたのだけれど。

 やがて、「僕は焼き魚定食にします」と、日和美的に見て何だかすっごくイメージに合わないものを指さした。

「えっ? 本当にそれでいいいんですか?」

 余りにも意外すぎて思わず聞いてしまった日和美に、「はい。【これが】いいんです」とにっこり。

(そうかそうか。王子様は日本の食文化に触れてみたいのですねっ? かしこまりなのです!)

 などと勝手なことを思わないと、不破の王子様的イメージとのギャップに脳みそが付いていけそうにない日和美だ。

 何故なら不破が指さした焼き魚定食は鮭の塩焼き、豆腐とワカメの味噌汁、キュウリとナスの浅漬け、切り干し大根の煮つけ、ご飯がセットになった定食で。
 いかにもザ・日本の朝食!と言った雰囲気だったから。

(いや、ランチなんですけどね)

 テンパる余りどうでもいいツッコミを脳内で入れながら、日和美は呼び出しボタンを押したのだった。
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