溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
***

 深夜のテンションそのままについお買い上げしてしまったふわふわな布団のセット二つ+モフモフの毛布二枚。

 冷静になって考えてみれば一人暮らしの自分に、二セットも寝具はいらないわけで。

(あーん、また無駄遣いしちゃったぁ〜!)

 と思いはしたものの、せっかくだから二つ並べて敷いて〜。ごろごろ転がりながら寝るのもありかもぉ〜!などと訳の変わらないことを考えてニンマリする。


 要するに日和美(ひなみ)。返品するつもりは皆無だ。

「問題は……」


 二組の掛け敷き布団と毛布を見て、日和美は形の良い眉をハの字に下げた。

「なんで枕が付いてないのよぉぉぉー!」

 寝具に枕は必需品でしょう!?とガックリとうなだれる日和美。実はそういうところが、歴代の彼氏たちを呆れさせてきたのだと気付けないのが彼女の残念なところだった。
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