溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
日和美は何でもかんでも割とオープンにするタイプだと思う。
なのに、不破がこの部屋に入ることだけは頑なに拒絶するのだ。気にならないわけがない。
何より。
言われた時には日和美に心配をかけたくなくて、素知らぬふりを決め込んだけれど、彼女が教えてくれた「ルティ」という名が胸の奥、チクチクとした痛みと共に引っかかっているのも事実で。
自分が何も持たずに外をうろついていた事と、ルティとの間にはきっと何か接点があった気さえしてしまっている。
もしかしたら、この扉の先にもっとヒントとなるものがあるかも知れない。
別に不破だって日和美を疑っているわけではない。
あの日布団が自分の上に降ってきたのは、きっとたまたま。偶然のはずだ。
だからここを開けたからと言って、実はあれは仕組まれていたことで……的な日和美の悪だくみの証拠が隠されていてショックを受けることも、ルティについての秘密が隠されていて驚かされることも恐らくはないのだろう。
(日和美さんはそんな大それたことが出来る人じゃないでしょうし)
別に彼女のことを見くびっているわけではないし、そもそも山中日和美という女性の何を知っているんだ?と聞かれたら言葉に詰まってしまうのだけれど。
でも不破にはどうしても日和美がそんなことが出来るような策士には見えないのだ。
それよりも――。
なのに、不破がこの部屋に入ることだけは頑なに拒絶するのだ。気にならないわけがない。
何より。
言われた時には日和美に心配をかけたくなくて、素知らぬふりを決め込んだけれど、彼女が教えてくれた「ルティ」という名が胸の奥、チクチクとした痛みと共に引っかかっているのも事実で。
自分が何も持たずに外をうろついていた事と、ルティとの間にはきっと何か接点があった気さえしてしまっている。
もしかしたら、この扉の先にもっとヒントとなるものがあるかも知れない。
別に不破だって日和美を疑っているわけではない。
あの日布団が自分の上に降ってきたのは、きっとたまたま。偶然のはずだ。
だからここを開けたからと言って、実はあれは仕組まれていたことで……的な日和美の悪だくみの証拠が隠されていてショックを受けることも、ルティについての秘密が隠されていて驚かされることも恐らくはないのだろう。
(日和美さんはそんな大それたことが出来る人じゃないでしょうし)
別に彼女のことを見くびっているわけではないし、そもそも山中日和美という女性の何を知っているんだ?と聞かれたら言葉に詰まってしまうのだけれど。
でも不破にはどうしても日和美がそんなことが出来るような策士には見えないのだ。
それよりも――。