溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
疑問符満載の顔をして眼前の不破を見詰めたら、キョトンとされた。
日和美は疑問に思ったことを口に出すべきか否か迷って……ソワソワと瞳を揺らせて――。
ふとそこで、アイランドキッチンの机上に信じられないものを見つけた日和美は、一気にそれどころではなくなってしまう。
(あ、あれっ! あの色! 絶対〝ムーンライトときめき濡恋文庫〟の本!)
あんなもの、朝出る時にはなかったはずだ。
思わずキッチンに目が釘付けになって口をパクパクさせてしまった日和美に、不破が彼女の視線を追うようにアイランドキッチンを見て。
「――ああ、あれですか」
何でもないことみたいにそう発するなり、身動き出来ずに固まっている日和美の代わり。
その本を手に取ったからたまらない。
「ふ、不破しゃんっ、しょ、しょれはっ」
表紙の、いかにもラブラブエッチな男女の絡みイラストにぶわりと赤面してテンパってしまった余り、〝さん〟や〝それ〟がマトモに言えなかった日和美だ。
でも――。
(ちょっと待って? 私、あんな本、持ってた?)
スーツ姿の男性が、同じくスーツ姿の女性の背後から覆い被さるようにしていやらしいことをしているようにしか見えない――そもそもブラウスのボタン、少し外されて薄桃色のブラのレースが見えちゃってるし!――その表紙は、どう見てもオフィスラブものではないか。
日和美の蔵書は九〇%以上が異世界ファンタジーものだから、オフィスラブ系はなかったはず!
「ああ。これ、【僕の私物】です」
本を手にした不破を指さしたまま口をパクパクさせる日和美に、不破がニコッと笑ってとんでもないことを言った……気がした。
(神様、今のは幻聴ですか!?)
日和美は疑問に思ったことを口に出すべきか否か迷って……ソワソワと瞳を揺らせて――。
ふとそこで、アイランドキッチンの机上に信じられないものを見つけた日和美は、一気にそれどころではなくなってしまう。
(あ、あれっ! あの色! 絶対〝ムーンライトときめき濡恋文庫〟の本!)
あんなもの、朝出る時にはなかったはずだ。
思わずキッチンに目が釘付けになって口をパクパクさせてしまった日和美に、不破が彼女の視線を追うようにアイランドキッチンを見て。
「――ああ、あれですか」
何でもないことみたいにそう発するなり、身動き出来ずに固まっている日和美の代わり。
その本を手に取ったからたまらない。
「ふ、不破しゃんっ、しょ、しょれはっ」
表紙の、いかにもラブラブエッチな男女の絡みイラストにぶわりと赤面してテンパってしまった余り、〝さん〟や〝それ〟がマトモに言えなかった日和美だ。
でも――。
(ちょっと待って? 私、あんな本、持ってた?)
スーツ姿の男性が、同じくスーツ姿の女性の背後から覆い被さるようにしていやらしいことをしているようにしか見えない――そもそもブラウスのボタン、少し外されて薄桃色のブラのレースが見えちゃってるし!――その表紙は、どう見てもオフィスラブものではないか。
日和美の蔵書は九〇%以上が異世界ファンタジーものだから、オフィスラブ系はなかったはず!
「ああ。これ、【僕の私物】です」
本を手にした不破を指さしたまま口をパクパクさせる日和美に、不破がニコッと笑ってとんでもないことを言った……気がした。
(神様、今のは幻聴ですか!?)