溺愛もふもふ甘恋同居〜記憶喪失な彼のナイショゴト〜
(8)記憶の扉を開くカギ
日和美の寝室で背表紙が一際濃いピンク色の本を何気なく手に取って読んだら、部分的に記憶が戻ってきた不破だ。
その本だけ何だか他と背の色が違って……たまたま目を引かれたから手にしてみただけ。
それだけに過ぎなかったのだけれど、一応どんな本かな?と思って背表紙に書かれたタイトルを見たら『犬だと思ったら姫でした!?~俺の愛犬が最高にイケイケで可愛すぎる件について~』という何とも長ったらしいもので面食らってしまった。
(凄いタイトルだな……。まるであらすじだ)
それが、この本を見た時に不破が抱いた率直な第一印象だったのだけれど。
パラパラとページをめくって何の気なしにルクレッツィーという犬のヒロインが出てくるところを拾い読みしていたら、不意に飼っていたゴールデンレトリバーの女の子、ルティシアのことを思い出した。
日和美が教えてくれて、ずっと心の中に引っ掛かっていた「ルティ」と言うのは、自分にとって掛け替えのない愛犬の愛称だったのだとストンと心の中に落ちてきて。
それと同時。そのルティがつい先日老衰で旅立ってしまったことも思い出してしまった不破だ。
その本だけ何だか他と背の色が違って……たまたま目を引かれたから手にしてみただけ。
それだけに過ぎなかったのだけれど、一応どんな本かな?と思って背表紙に書かれたタイトルを見たら『犬だと思ったら姫でした!?~俺の愛犬が最高にイケイケで可愛すぎる件について~』という何とも長ったらしいもので面食らってしまった。
(凄いタイトルだな……。まるであらすじだ)
それが、この本を見た時に不破が抱いた率直な第一印象だったのだけれど。
パラパラとページをめくって何の気なしにルクレッツィーという犬のヒロインが出てくるところを拾い読みしていたら、不意に飼っていたゴールデンレトリバーの女の子、ルティシアのことを思い出した。
日和美が教えてくれて、ずっと心の中に引っ掛かっていた「ルティ」と言うのは、自分にとって掛け替えのない愛犬の愛称だったのだとストンと心の中に落ちてきて。
それと同時。そのルティがつい先日老衰で旅立ってしまったことも思い出してしまった不破だ。