三番線に恋がくる
「そうか。でも、兄弟って色々あるよね。僕も兄貴とはよく喧嘩するし」
「え、東条くんでも?」
「当たり前だよ。兄貴、普通に手を出してくるしさ。冗談じゃないよ本当」
「あは、想像できないな」
東条くんの話に思わず笑うと、少しだけ心が軽くなる。
でも同時にむなしさのようなものは膨らんでいた。
「……西園寺さん?」
「あーあ、……なんか疲れたなあ。弟たちのこと、疲れちゃった……なんてね」
「……」
「いつも私がどれだけ面倒見てやってると思ってるの……本当ムカつく」
朝も、時には放課後も。
弟たちを中心に回る生活。
両親が忙しいのはわかっているし、それに両親は私によく気を使ってくれているから、全く不自由というわけでもない。
別にこの生活を心底嫌っているわけでもなかった。
だけどこういうとき、なんだかひどくむなしい。
妙に息が苦しくなるのだ。
「西園寺さん」
「って、愚痴ってごめんね!ただの下らない兄弟喧嘩だから!家帰ってあと二三発殴ればハイ元通りだから。……し、心配しないでね」
私ったら。
朝の幸せの時間をこんなことに消費するなんて。
なんて馬鹿なことをしちゃったのか。
家族の悪口をねちねち愚痴るやつなんて、東条くんもきっとあきれているよ。
「え、東条くんでも?」
「当たり前だよ。兄貴、普通に手を出してくるしさ。冗談じゃないよ本当」
「あは、想像できないな」
東条くんの話に思わず笑うと、少しだけ心が軽くなる。
でも同時にむなしさのようなものは膨らんでいた。
「……西園寺さん?」
「あーあ、……なんか疲れたなあ。弟たちのこと、疲れちゃった……なんてね」
「……」
「いつも私がどれだけ面倒見てやってると思ってるの……本当ムカつく」
朝も、時には放課後も。
弟たちを中心に回る生活。
両親が忙しいのはわかっているし、それに両親は私によく気を使ってくれているから、全く不自由というわけでもない。
別にこの生活を心底嫌っているわけでもなかった。
だけどこういうとき、なんだかひどくむなしい。
妙に息が苦しくなるのだ。
「西園寺さん」
「って、愚痴ってごめんね!ただの下らない兄弟喧嘩だから!家帰ってあと二三発殴ればハイ元通りだから。……し、心配しないでね」
私ったら。
朝の幸せの時間をこんなことに消費するなんて。
なんて馬鹿なことをしちゃったのか。
家族の悪口をねちねち愚痴るやつなんて、東条くんもきっとあきれているよ。