三番線に恋がくる
「うーん……」

車内は予想通り、かなりの人だった。
押しくらまんじゅう……というほどではないが、座席だけでなく、つり革につかまる人もズラーッと定員オーバーにはなるくらいだ。

これじゃあ、あまり車内は移動いない方がいいな。
東条くん……どこにいるんだろう。
せっかく、今日は勇気を出そうと思ったのに。

キョロキョロと辺りを見回すと、すぐ近くに東条くんの姿を見つけた。 
これくらいならそばに移動できるかもしれない。

他の人の迷惑にならないように気をつけてゆっくり歩いていって東条くんのそばに。

「東条く……」

声をかけようとして、私は固まった。
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