三番線に恋がくる
東条くんの隣に女の子がいる。
彼と同じ高校の制服を着た、とても綺麗な女の子。
なにやら親しげに東条くんと会話していた。
誰……だろう。
同じ制服だし、クラスメートとか?
仲良さそうだし、友達……なのかな。
東条くんの友達は、みんなもっと早い電車に乗っているって聞いたけど。
今回の運休でたまたまこの電車になったのだろうか。
(……どうしよう)
声、かけられない。
だって二人は親しげで楽しそうで。
今私が声をかけたら邪魔者になりそうで。
こわい。
駄目だ。
お願い、キャンディ。勇気をちょうだい。
だって今日決めていたじゃない。
最後の勇気を出すって。
だから、がんばる。頑張らないと。
「……と、東条くん……っ!」
でも精一杯の声は東条くんには届かなかった。
東条くんは全く振り向かない。
となりの女の子との話を続けている。
次の瞬間、目の前での光景に私は今度こそ本当に動けなくなる。
女の子が、東条くんに何かを話しかける。
すると東条くんは少し困ったように笑って、女の子の頭に、一瞬、撫でるように触れた。
「……っ」
胸が押し潰されたように痛い。
これ以上見ていなくない。
私はうつむいてそこから離れた。
彼と同じ高校の制服を着た、とても綺麗な女の子。
なにやら親しげに東条くんと会話していた。
誰……だろう。
同じ制服だし、クラスメートとか?
仲良さそうだし、友達……なのかな。
東条くんの友達は、みんなもっと早い電車に乗っているって聞いたけど。
今回の運休でたまたまこの電車になったのだろうか。
(……どうしよう)
声、かけられない。
だって二人は親しげで楽しそうで。
今私が声をかけたら邪魔者になりそうで。
こわい。
駄目だ。
お願い、キャンディ。勇気をちょうだい。
だって今日決めていたじゃない。
最後の勇気を出すって。
だから、がんばる。頑張らないと。
「……と、東条くん……っ!」
でも精一杯の声は東条くんには届かなかった。
東条くんは全く振り向かない。
となりの女の子との話を続けている。
次の瞬間、目の前での光景に私は今度こそ本当に動けなくなる。
女の子が、東条くんに何かを話しかける。
すると東条くんは少し困ったように笑って、女の子の頭に、一瞬、撫でるように触れた。
「……っ」
胸が押し潰されたように痛い。
これ以上見ていなくない。
私はうつむいてそこから離れた。