三番線に恋がくる
全速力で自転車をこぐ。
もう間に合わないかもしれない。
こんなギリギリは初めてだ。
でも、行かなきゃ。今、行かなきゃ。
私には願いをかなえるハートのキャンディがあるのだから。
駅につくと自転車をとめ、ついでにハートのキャンディを口に放り込む。
甘い。幼い、懐かしい甘さ。
でも、何よりもの勇気をくれる気がした。
改札をくぐろうとすると、アナウンスが聞こえる。
すでに電車が三番線に到着しているようだ。
これじゃあ、もう間に合わない。
でも、それでも走るのはやめられない。
もう逃げられないから。
あのとき、弱気になって逃げ出してしまった。
だって私と東条くんには電車の中でしか繋がりはなくて。
それはとても弱く脆いもので。
実感するのがこわかったから。
だけど本当は違った。
東条くんは言ってくれていたね。
「もう少し話したい」って。
あのとき、連絡先を交換したこと。
確かに繋がりが電車の外に広がっているしるしだったのに。
私、気づけなかった。
いや、自分の痛みに精一杯で気づきたくなかったのかもしれない。
そんなのは、もう終わりだ。
私、頑張ってるよ。
でももっともっと頑張れる。
今ならこわくない。
もう間に合わないかもしれない。
こんなギリギリは初めてだ。
でも、行かなきゃ。今、行かなきゃ。
私には願いをかなえるハートのキャンディがあるのだから。
駅につくと自転車をとめ、ついでにハートのキャンディを口に放り込む。
甘い。幼い、懐かしい甘さ。
でも、何よりもの勇気をくれる気がした。
改札をくぐろうとすると、アナウンスが聞こえる。
すでに電車が三番線に到着しているようだ。
これじゃあ、もう間に合わない。
でも、それでも走るのはやめられない。
もう逃げられないから。
あのとき、弱気になって逃げ出してしまった。
だって私と東条くんには電車の中でしか繋がりはなくて。
それはとても弱く脆いもので。
実感するのがこわかったから。
だけど本当は違った。
東条くんは言ってくれていたね。
「もう少し話したい」って。
あのとき、連絡先を交換したこと。
確かに繋がりが電車の外に広がっているしるしだったのに。
私、気づけなかった。
いや、自分の痛みに精一杯で気づきたくなかったのかもしれない。
そんなのは、もう終わりだ。
私、頑張ってるよ。
でももっともっと頑張れる。
今ならこわくない。