三番線に恋がくる
プルルル……
発車のベルが聞こえる。
8時8分、三番線。
東条くんの乗っている電車。
「ま、待って……!乗ります!」
ようやくホームにたどり着いたとき、すでに扉は閉まる寸前だった。
待って。待って。待って。
私、乗らないと。
彼に会わないと。
伝えたいことがあるの。
「待って……!」
叫んで、電車へと向かう。
あと少し、あと一歩。
あと、もう目の前………
だけど。
プシュー……
音を立て、電車が目の前で閉まる。
そしてガタンゴトンと走っていってしまった。
ホームに私を残して。