三番線に恋がくる
きっかけ
「あ、白雪ー、今日学校で牛乳パックいる」
「はあ!?」
朝食を終え、髪をセットしていると背後から弟の爆弾発言。
「そ、それ、昨日お母さんに言ってる?」
「忘れてた」
「…………」
両親はすでに出勤している。
もしかして何かで知ってくれているかも、とめぼしい場所を探すがやっぱり牛乳パックはどこにもなかった。
「もおおおおーーー!!牛乳パックいるのは翼だけ!?他にいないね??」
冷蔵庫の牛乳を取り出し、中身をうつしかえて簡単にパックを洗う。
たぶん少し匂うけど、もうそれは連絡忘れの罰だと我慢してもらおう。
「白雪。なんかノドいがいがする」
パックを洗い終えると、二番目の弟・海人が声をかけてきた。
「ノド?昨日、クーラーつけっぱで寝たからじゃないの?ちょっと待って。熱計って」
体温は平熱。
見たところ他に悪いところもなさそうだ。
「特に問題なさそうだから、とりあえずノド飴舐めなさい。連絡帳書いてあげるから、今日はマスクして学校行きな、ね」
「わかったー」
素直にうなずく海人にノド飴を渡す。すると、予想はしていたが、あと二人も飴をくれと騒ぎ立ててきた。
「ノド飴はお菓子じゃないよ!翼は牛乳パック早く仕舞いなさい!ほら、もう時間ないよ、早くしな!!」
連絡帳を書いて、騒ぐ弟をなだめて……
気づくといつも以上にギリギリの時間になっていた。