それでも私は、あなたがいる未来を、描きたかった。
「先生に向かって、その口調はないでしょう。敬語、使いなさい」
注意をするだけして去って行った先生に、思わず舌打ちをする。
「あー、怒られた怒られた!」
畑中先生がケタケタ笑う。
「マジでむかつく」
なんなのこの人。
一応先生でしょ?
生徒が注意されているところを見て笑うってどういうこと?
そもそもこの人に呼び出しされなかったら、注意されることも、こんなにイライラすることもなかったのに。
「ねえ」
「んー?」
先生は笑みを残したまま、私を見上げる。
「今日で終わりにしてよね、こんな面倒臭い役目」
「おう、考えておくわ」
今は一刻も早く、この嫌な男の傍から去りたくて、私はノートの束を抱え込んだ。
「ねえ、どういうこと」
翌日の昼休み。またもや呼び出された私は、畑中先生の机にバン!!と手をついた。
「ちょっと、何事……」
隣に座っている中野先生が何か言いかけたけれど、私は無視して続ける。
「もう呼び出さないって約束したじゃん」
「えー? そんな約束してないけど。いつした?」
周りから視線を集めているにも関わらず、目の前の男は、昨日と同じようにヘラヘラ笑っている。
それがまたムカついて、怒声を張り上げた。
「昨日! 言ったじゃん! 『今日で終わりにして』って!」
「おう、そうだったな」
そうだったそうだった、と先生はうなずく。
「だったら!!」
「けど、俺、『わかった』なんて言ってないし」
「えっ……」
た、たしかに……。
私は昨日の会話を思い出す。
“考えておく”とは言われたけど、“分かった”とは、言われなかったような気がする……。
ああ、昨日の私。
どうして「わかった」と言わせるまで責めなかったんだろう。睨まなかったんだろう。
「まあ、いいや」
先生は立ち上がると、「ちょっと来い」と私の腕を引っ張った。
「ちょっと! 何するの!」
先生の手を振り払おうと、ブンブンと腕を振る。
うわ、やっぱり男だな……。
これだけジタバタ暴れているのに、全然抵抗できない。
「ちょっと! やめてよ! 変態!」
「いいからいいから」
先生は暴れる私を全く気にすることなく、職員室の奥にある面談室へと連れ込んだ。
注意をするだけして去って行った先生に、思わず舌打ちをする。
「あー、怒られた怒られた!」
畑中先生がケタケタ笑う。
「マジでむかつく」
なんなのこの人。
一応先生でしょ?
生徒が注意されているところを見て笑うってどういうこと?
そもそもこの人に呼び出しされなかったら、注意されることも、こんなにイライラすることもなかったのに。
「ねえ」
「んー?」
先生は笑みを残したまま、私を見上げる。
「今日で終わりにしてよね、こんな面倒臭い役目」
「おう、考えておくわ」
今は一刻も早く、この嫌な男の傍から去りたくて、私はノートの束を抱え込んだ。
「ねえ、どういうこと」
翌日の昼休み。またもや呼び出された私は、畑中先生の机にバン!!と手をついた。
「ちょっと、何事……」
隣に座っている中野先生が何か言いかけたけれど、私は無視して続ける。
「もう呼び出さないって約束したじゃん」
「えー? そんな約束してないけど。いつした?」
周りから視線を集めているにも関わらず、目の前の男は、昨日と同じようにヘラヘラ笑っている。
それがまたムカついて、怒声を張り上げた。
「昨日! 言ったじゃん! 『今日で終わりにして』って!」
「おう、そうだったな」
そうだったそうだった、と先生はうなずく。
「だったら!!」
「けど、俺、『わかった』なんて言ってないし」
「えっ……」
た、たしかに……。
私は昨日の会話を思い出す。
“考えておく”とは言われたけど、“分かった”とは、言われなかったような気がする……。
ああ、昨日の私。
どうして「わかった」と言わせるまで責めなかったんだろう。睨まなかったんだろう。
「まあ、いいや」
先生は立ち上がると、「ちょっと来い」と私の腕を引っ張った。
「ちょっと! 何するの!」
先生の手を振り払おうと、ブンブンと腕を振る。
うわ、やっぱり男だな……。
これだけジタバタ暴れているのに、全然抵抗できない。
「ちょっと! やめてよ! 変態!」
「いいからいいから」
先生は暴れる私を全く気にすることなく、職員室の奥にある面談室へと連れ込んだ。