それでも私は、あなたがいる未来を、描きたかった。
【先生、やっぱり私ね、今でも悔やんでしまう。】

もし、あの日、あなたの傍へ駆け寄っていたら、今とは違う未来が辿れたのかな。

私は幼くて、自分のことしか考えていなくて、
あれだけ近くにいてくれた先生が苦しんでいることにさえ、気づくことが出来なかった。

「もし」なんて考えても仕方がないけれど、
それでも私は、あなたがいる未来を、描きたかった。


【先生、今でも教師、続けていますか?】

きっと、もう先生に会うことはないだろうけど。

それでもね。

“先生の教師人生が、明るくて楽しいものでありますように”

修学旅行の時に祈った願いが、この願いだけは、どうか叶いますように。

ただ祈ることしかできないけれど、叶いますように。

先生の選んだ道が、行く先が、明るいものだといいな。

自分のことにも十分に向き合えなかった、考えられなかった私が、人の幸せを祈れるようになったのは、きっといつもそばで、私が幸せに過ごせるように支えてくれた先生のおかげだと思うから。

だから、私も願いたい。

あなたの行く道が、誰よりも輝いていますように。
幸せなものでありますように。

いつも、先生が笑顔いっぱいで過ごすことが出来ますように。


【先生、出逢えて本当によかった。】

先生と一緒に過ごしたのは、たった9か月だった。たった260日少しだった。

それでも、私にとっては、かけがえのない日々だった。

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