それでも私は、あなたがいる未来を、描きたかった。
私が美羽の話に完全に納得していないことが伝わったのか、美羽は「あくまでも、周りからみたらね」と付け加えた。
「けど、1組以外の、沙帆と先生の距離感を見慣れていない人たちから見たら、やっぱり、『距離、近くない?』って思うんじゃないかなあ。実際、4月か5月ぐらいに、違うクラスの人から『仲良しだ』って噂されていた、って、言っていたよね?」
美羽はもう一度ココアを飲むと、「児玉だって、いくら相手が先生でも、彼女が他の人と『仲良い』って噂されていたら、やっぱり気になるんじゃないかなあ?」と続けた。
「それなら」
やはり、こうするべきなのだろうか。
「先生とは、距離を置くべきだと思う?」
「彼氏が不安に思っているんだよね」と事情を話して、先生には「必要な時以外、話しかけないで」って、言うべきなのだろうか。
「沙帆は、どうしたいの?」
美羽は、私の問いかけに、肯定も否定もせず、問い返した。
「沙帆は、児玉に『距離を置いて』って言われて、どうしたいと思った? 児玉の気持ちを尊重したかった? それとも、それ以上に、これまで通り、先生と接したかった?」
「美羽……」
「答えなんてね、出ているんだよ、沙帆の中で」
美羽は責めることなく、むしろ、私の気持ちを受け止めるかのように、微笑んだ。
「お願いをしてきた児玉に、何も言えなかったんでしょ? それこそが、もう、沙帆の正直な気持ちだよ」
「けど……この結論は、間違っているよね……」
「間違っているとは思わないけれど」
美羽は首を振りつつも、「正直、児玉は辛いと思うよ」と続けた。
「けど、1組以外の、沙帆と先生の距離感を見慣れていない人たちから見たら、やっぱり、『距離、近くない?』って思うんじゃないかなあ。実際、4月か5月ぐらいに、違うクラスの人から『仲良しだ』って噂されていた、って、言っていたよね?」
美羽はもう一度ココアを飲むと、「児玉だって、いくら相手が先生でも、彼女が他の人と『仲良い』って噂されていたら、やっぱり気になるんじゃないかなあ?」と続けた。
「それなら」
やはり、こうするべきなのだろうか。
「先生とは、距離を置くべきだと思う?」
「彼氏が不安に思っているんだよね」と事情を話して、先生には「必要な時以外、話しかけないで」って、言うべきなのだろうか。
「沙帆は、どうしたいの?」
美羽は、私の問いかけに、肯定も否定もせず、問い返した。
「沙帆は、児玉に『距離を置いて』って言われて、どうしたいと思った? 児玉の気持ちを尊重したかった? それとも、それ以上に、これまで通り、先生と接したかった?」
「美羽……」
「答えなんてね、出ているんだよ、沙帆の中で」
美羽は責めることなく、むしろ、私の気持ちを受け止めるかのように、微笑んだ。
「お願いをしてきた児玉に、何も言えなかったんでしょ? それこそが、もう、沙帆の正直な気持ちだよ」
「けど……この結論は、間違っているよね……」
「間違っているとは思わないけれど」
美羽は首を振りつつも、「正直、児玉は辛いと思うよ」と続けた。