あやかし戦記 永遠の終わり
「お前が!お前みたいなクソガキが!触っていい金じゃねぇんだよ!!」

何度も強烈な拳がアレンの顔を攻撃する。殴られたことで頭がボウッとし、鼻血が垂れていく。だが、その耳には仲間たちの声が聞こえてくる。

「アレン!しっかりしろ!」

「おい、矢とか銃で何とかならないのか?」

「馬鹿!アレンに当たったらどうすんだよ!?」

何とか助ける方法を考えてくれている仲間たちの様子に、アレンはアレス騎士団の一員になれたあの日のことをふと思い出し、怪我が痛むのに胸が温かくなっていくのを覚えた。

「死ね、死ね、アバズレ女!」

「そんな攻撃じゃ、私も部下たちも誰も殺せないわよ。……殺すと言うなら全力で守ってみせるわ」

レヴィアタンに上司であるチェルシーはたった一人で立ち向かっている。このままやられっぱなしでいられるわけがない。

アレンの腕は、素早く殴ろうとするマモンの手を捕らえる。そして、一瞬動きが止まったマモンに向かってアレンは勢いよく頭突きをお見舞いした。
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