あやかし戦記 永遠の終わり
レヴィアタンと戦っていたはずのチェルシーが、こちらを見て微笑む。チェルシーから離れて立っていたレヴィアタンは、マモンの遺体を見て体を震わせていた。

「……嘘……悪魔が、人間なんかに……」

俯いたレヴィアタンは体を震わせ、何か術を発動するのではとアレンたちは警戒する。素早くチェルシーがナタを構えて走っていくのだが、レヴィアタンはチェルシーがナタを振り上げる前に顔を上げた。その目は血走り、激しい怒りを含んでいる。

「よくも、よくも、よくも……!」

レヴィアタンの立っている地面から勢いよく水が溢れ、地下室は水に沈められていく。このままでは溺死は避けられない。

レヴィアタンはチェルシーを睨み付け、チェルシーに向かって何度も光線を放つ。チェルシーはそれを避けていくものの、水はどんどん増していき、動きが鈍くなっていく。

「お前だけでも、殺してやる!」

そう言ったレヴィアタンの目には、チェルシー以外映っていないのだとアレンにはわかった。そうなれば、やることは一つである。
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