あやかし戦記 永遠の終わり
音を聞き逃さなければいい。そうすればベルフェゴールに反撃をすることができる。チターゼは拳を握り締め、音が来るのを待った。

ヒュッと風を切る音がする。そして目の前に気配を感じた。腕が振り上げられる音がする。チターゼは勢いよく振り下ろされた腕を素早く掴んだ。

「は?」

ベルフェゴールが驚きの声を上げる。それがあまりにもマヌケで、チターゼはニッと笑いながらベルフェゴールを地面に叩き付け、その体の上に馬乗りになる。

「こんな生意気なクソガキにこれから殺されるってどういう気分なんだ?」

「は?」

質問をしたが、チターゼは答えを待つことはない。懐からツヤ・シノノメから貰った毒の仕込まれたナイフを取り出し、それをベルフェゴールの体に何度も突き刺す。

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ベルフェゴールは声を上げて悲鳴を上げ、しばらくするとその声すら聞こえなくなった。刹那、チターゼの視界が一瞬にして元に戻る。
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