あやかし戦記 永遠の終わり
「怖いね〜、いきなり針を投げるなんて」

呪術師のイヴァン・メドベージュワがニヤニヤ笑いながら言い、ツヤは低い声で「姉さんを馬鹿にするな」と言う。その時、ヴィンセントとレオナードに肩を叩かれる。

「ツヤさん、今は怒りに囚われている場合ではありません」

「ツヤさん、どうか俺たちに命令を!」

真剣な目で見つめられ、ツヤの心が少しだけ凪ぐ。一つ大きな息を吐いてから、ツヤは指示を出した。

「レオナードはベルゼブブ、ヴィンセントはルシファーを頼む。あたしはあの呪術師を片付けるが、それはすぐに済むだろう。終わり次第、お前たちの援護に回る」

「了解しました!」

「よっしゃ!やってやるぜ!!」

ヴィンセントは変わらず真剣な顔で、レオナードはどこかわくわくしたような顔でツヤから離れていく。その様子を見てイヴァンがクスリと笑った。

「僕、呪術師として結構強いよ?君みたいな半端者の鬼に勝てるの?」

「半端者の鬼が、アレス騎士団の三大戦闘員に選ばれると思うか。この馬鹿が」
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