あやかし戦記 永遠の終わり
倒れた本棚の上に立ち、二人はツヤを安心させるように笑顔を浮かべる。それを見て、悪魔二体はつまらなさそうに舌打ちをした。

「流石ツヤの部下だね〜。生命力がゴキブリじゃん」

「あたしの部下、舐めんじゃねぇよ。お前らなんかすぐに地獄に送ってやるからな」

ツヤの背後からは、レオナードとヴィンセントが戦う音が聞こえてくる。自分もこれから戦うのだ。人生を狂わせるきっかけとなった男と……。

数十秒睨み合いをした後、先に動いたのはイヴァンの方だった。

イヴァンが呪文を唱えると、ツヤの周りに影のような黒い何かが現れ、そこから大量の黒い人型の幽霊のようなものが姿を見せる。

「ヴゥ〜……」

「アァァァァァァ」

うめき声を上げながら、幽霊のようなものはツヤにゆっくりと手を伸ばす。イヴァンはまるでショーを楽しむかのように、図書館に置かれた椅子に腰掛け、ジッと見ていた。

ツヤは赤い目を大きく開き、幽霊のようなものに強烈な拳を連続で叩き込む。そして地面に両手を付き、足を素早く回転させて蹴りを喰らわせた。
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