あやかし戦記 永遠の終わり
まるで小さい子どもが買ったばかりのおもちゃで遊ぶように、イヴァンは「もっと斬り落とされるところ、見せて」と言いながらナイフを飛ばす。

ツヤはナイフを避け、イヴァンに近付こうとするのだが、ギロチンの刃がいつ落ちてくるかわからず、迂闊に手足を出せない。呪術師とは言え人間に毒を使うわけにはいかず、かと言って妖だからと回復スピードもずっと早いわけではないのだ。

(でも、このままじゃあいつを拘束できない!)

焦りを感じつつ、ツヤがふとナイフを避けながらレオナードとヴィンセントたちの方を見ると、二人とも武器をうまく使って戦っているものの、苦戦を強いられているのが目に見えてわかる状態だった。いつ彼らの魔術によって殺されてもおかしくない。

「ほらほら〜、早く手か足をもう一回斬り落としてよ。それとも首とかどうかな?ド派手に血飛沫が飛んだら綺麗だろうな〜」

うっとりとした表情で語るイヴァンに対し、ツヤは「黙れ、黙れ、黙れ、黙れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」と大声を出す。爪は先ほどよりも鋭くなり、ツノも大きくなっていった。
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