あやかし戦記 永遠の終わり
「テメェと戯れていられるほど、あたしは暇じゃねぇんだよ!人の人生はいつ終わるか誰にも想像すらつかない。だからあたしは、一刻も早く人間に戻るための薬を作って、こいつらと一緒に歳を取っていきたいんだ!!」

飛んできたナイフの刃を、手を切ってしまうにも関わらずツヤは素早く掴む。そして力いっぱいナイフを握り締め、ナイフを数秒で折ってしまった。

「うわ、握力ゴリラ?それともカスミの呪いのせい?厄介な呪いにかけられたね〜」

イヴァンが自分で自分の体をさすり、ケラケラと笑う中、ツヤは壊れたナイフを投げ捨て、傷を回復させながら言った。

「お前の言う通り、厄介な呪いだ。殺したい相手を殺せない。だからあたしはどれだけ憎くても、お前はあの男を殺せない。……でも、この呪いがあったからあたしはあたしでいられた。姉さんが自分の命じゃなく、あたしを選んだからーーー」

「自己犠牲ってやつ?綺麗に見えるよう語ってるけど、結局あの女が弱かっただけじゃん。どうせ、「弱い私の代わりに復讐して〜」とかでしょ」
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