あやかし戦記 永遠の終わり

そのイヴァンの言葉は、ツヤの怒りを爆発させる起爆剤として一番大きかった。

「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

ツヤはイヴァンの頭を掴んで地面に投げ倒した後、イヴァンの体に何度も蹴りを入れる。そして声が枯れてしまうほど、叫ぶように言った。

「姉さんは優しい人だから！誰よりも強い人だから！だから、自分の命じゃなくてあたしを選んだんだ。テメェは一生かかっても、自分の命より大事な命を想う感情なんて理解できないだろうがな！姉さんを侮辱するのは、あたしが何者だろうが許さない。お前は地獄で姉さんに詫びろ！！このゲス野郎が！！」

散々蹴った後、ツヤは勢いを込めてイヴァンを本棚に向かって蹴り飛ばす。イヴァンは血だらけになりながら気を失っており、ツヤは荒い息を整えながらイヴァンを拘束していく。

その時、ツヤは自身の目から透明な雫が零れ落ちていることに気付いた。泣いている、そう理解した刹那にツヤの目から涙が止まらなくなっていく。