あやかし戦記 永遠の終わり
ギルベルトの持っている武器は剣のため、当然相手に接近をしないと攻撃することができない。

「……片目、こうなっちゃうならエイモンくんから銃の扱い、しっかり教えてもらったらよかったかも」

ギルベルトの頬を汗が伝う。焦りを誤魔化すかのように笑い、剣を構えながらサタンの動きを見て攻撃を避けて行く。それの繰り返しだ。

「きゃあッ!」

刹那、アリスの悲鳴が聞こえ、ギルベルトは声の聞こえた方に目を向ける。そこではアリスが狐と扇型の武器を手に戦っていたはずなのだが、狐の妖術に当たってしまったのか、地面に倒れて動けなくなっている。

「ッ!」

そこへ向かってサタンがニヤニヤしながら光線を放つ。走っても間に合わない。ギルベルトは持っていた剣を投げ、光線にぶつけた。

剣と光線がぶつかった刹那、大きな音と光を放ち、ギルベルトは目を閉じる。数秒後に光と音が消えた時、ギルベルトが見たのは、黒い灰のようになって使い物にならなくなった自身の剣だった。
< 4 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop