あやかし戦記 永遠の終わり
「自分より他人、みんなと幸せになりたい、そう自然と思っているところがそっくりなんだよ。……その部下に言われたんだ。「お姉さんがツヤさんの命を選んだのは、妹に復讐してほしいのではなく、幸せになってほしいからだったんじゃないですか」って。もしそうなら、姉さんはあんたを殺しても喜ばないからな」

ツヤは俯いたまま、地下室を出るために歩いていく。決して振り返りはしない。もうこの男とは二度と会わない。

「……さようなら、父さん」

瞳を揺らしながら、ツヤはポツリと呟く。それを聞いたミツヒデの瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。










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