あやかし戦記 永遠の終わり
「ギルベルトさん……すみません……私のせいで……剣が……」

地面に倒れたまま謝るアリスに対し、ギルベルトは「アリスのせいじゃないよ」と微笑む。剣を投げなければアリスは死んでいた。武器はいくらでも作れても、命はどうにもならない。この選択を、ギルベルトが後悔することは一生ないのだ。

「自分の武器がなくなって、どう俺と戦うつもりだ?あそこで武器を捨てなければ、俺に勝てたのに……」

「まだ負けてないし、決めつけないでくれる?まだ僕の体があるさ。こう見えて僕、ちゃんと鍛えてるんだよ。……でも君は、魔力なしじゃ戦えないんだよね?」

ギルベルトが最後の方は煽るように言うと、「あ?」と余裕げだったサタンの額に青筋が浮かぶ。普通の人間ならば、怯えて口を閉ざすだろう。しかし、ギルベルトは逆に笑っていた。

「人間が格闘技の試合するみたいにはできないんだよね?弱いんだよね?かわいそうだなぁ〜」

「お前、そう言ってられるのも今のうちだぞ!!」
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