甘やかし婚 ~失恋当日、極上御曹司に求愛されました~
「沙也の一番は俺だからな」
端正な面差しに柔らかい表情を浮かべる。
「なあ、沙也。耀が一歳を迎える頃に結婚式を挙げないか?」
「え……?」
「沙也の好きな場所で構わない。沙也のウエディングドレス姿が見たいんだ」
突然の提案に驚く。
じわじわと心の奥底から泣きたくなるくらいの温かい気持ちがこみ上げる。
「まだ時間があるから少しずつ決めていければと思う。ドレスは沙也が気に入るものを探してなければ作ろう。そのときにやはり改めて婚約指輪を贈りたい」
「指輪もドレスもなんて……」
「婚約指輪は俺の我儘だと思って受け取ってほしい」
ああもう、この人は。
どこまで私を好きにさせたら気が済むんだろう。
幸せすぎて愛しすぎて、胸がいっぱいになるなんて知らなかった。
涙で滲んでいく視界に大好きな人の姿が見える。
「――愛している、沙也」
「私も、あなたを愛している」
あの日、最悪な気持ちで彼とぶつからなければ今の日々はなかった。
あれからずっと私を受けとめ続けてくれている郁さんと耀と人生を歩んでいけますように。
万感の思いを込めて、大好きな旦那様と手を繋いだ。
END
端正な面差しに柔らかい表情を浮かべる。
「なあ、沙也。耀が一歳を迎える頃に結婚式を挙げないか?」
「え……?」
「沙也の好きな場所で構わない。沙也のウエディングドレス姿が見たいんだ」
突然の提案に驚く。
じわじわと心の奥底から泣きたくなるくらいの温かい気持ちがこみ上げる。
「まだ時間があるから少しずつ決めていければと思う。ドレスは沙也が気に入るものを探してなければ作ろう。そのときにやはり改めて婚約指輪を贈りたい」
「指輪もドレスもなんて……」
「婚約指輪は俺の我儘だと思って受け取ってほしい」
ああもう、この人は。
どこまで私を好きにさせたら気が済むんだろう。
幸せすぎて愛しすぎて、胸がいっぱいになるなんて知らなかった。
涙で滲んでいく視界に大好きな人の姿が見える。
「――愛している、沙也」
「私も、あなたを愛している」
あの日、最悪な気持ちで彼とぶつからなければ今の日々はなかった。
あれからずっと私を受けとめ続けてくれている郁さんと耀と人生を歩んでいけますように。
万感の思いを込めて、大好きな旦那様と手を繋いだ。
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