本気の恋を、教えてやるよ。




*º茉莉side.


「お盆まであと一週間かあ」


ミーンミーンと鳴き疲れることを知らない蝉たちの鳴き声を聞きながらポツリと呟く。


つう、と首筋を汗が伝い、いい天気だけどテラス席にしたのは失敗だったかな、と眉を顰めた。


「夏、絶対どっか行こーね。海とかプールとか。夏祭りもいいな〜お揃いの浴衣着てさ!」


梓ちゃんは暑さをものともせずに、旅行サイトを見ながら楽しそうに話しかけてくれる。


当たり前のように私との予定を入れてくれるのが嬉しくて、うん、と頷いた。


私たちの会社は、決められた期間の間で決められた日数を好きな時に夏季休暇として取得できる。


でも他の会社も大体お盆休みだし、なんとなーく皆お盆に取るのが通例だ。勿論、そうじゃない人もいるけどね。


「夏までに仕事片付くかなー」

「がんばろ!私も梓ちゃんと遊ぶことを楽しみに頑張るから」




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