本気の恋を、教えてやるよ。



「酷ぇ!」


駒澤くんの言葉にケラケラと笑った後、佐川くんは私と梓ちゃんににっこりと笑って見せた。


「ね、よければ俺達もご一緒していい?」


私たちが座ってた席はちょうど四人席だ。


私は構わないけど……と梓ちゃんを窺えば、梓ちゃんは軽く肩を竦めた。


「別にいいわよ。でもホントに偶然?」

「それはホント!午前中、楽斗とセミナーに参加してて今帰りなんだよ。ここ、最近できたばっかで行ったことないなーと思って入ったら、二人を見つけてさ」


おじゃましまーす、と嬉しそうに座る佐川くん。駒澤くんも、悪いな、と目で謝りながら席に着いた。


後から来た二人も注文し終えた後、佐川くんが「そういえば」と私に話しかけてきた。


「稲葉さんさ、マネージャーとか興味無い?」

「え?」


マネージャー?とあまり馴染みの無い言葉に首を傾げる私に、佐川くんが頷く。


「運動部のマネージャー!バスケ部なんだけど、どう?」



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