本気の恋を、教えてやるよ。
「え、えっと……」
どう?と言われても……。
バスケ部とかマネージャーとか、一体何の話をしてるのかわからず戸惑う私に、駒澤くんがため息をついたかと思うと思い切り佐川くんの後頭部を引っぱたいた。
ベシンッ!とかなり大きい音がして、佐川くんは低く呻きながらテーブルにつっ伏す。
い、痛そう……。すごいいい音したもんなあ……。
「話が飛躍しすぎて稲葉が困ってることに気づけ、アホ」
そう冷たく痛みに悶える佐川くんを見下ろした駒澤くんは、今度は気遣うように私を見る。
「急に変な話してごめん、稲葉」
「う、ううん。でも、マネージャーって?」
訊くと、それまで突っ伏していた佐川くんが、待ってましたと言わんばかりに飛び起きた。
「会社内でいくつかのサークルてきなのがあるのは知ってる?」
「うん。ちゃんと部費もおりてるもんね」
「そうそう。実は俺も楽斗も、バスケ部に入ってるんだ」