本気の恋を、教えてやるよ。
「連絡してくれるんでしょ?よかったね。存分にイチャついてきなよ」
そう、必死で否定する私をからかうのだった。
──駒澤くんから連絡が来たのは、一日目の練習が終わった後だった。
日はすっかり暮れ、水平線は薄闇に滲んでいる。
穏やかで落ち着いた風景とは裏腹に、私の心臓はこのまま破裂するんじゃないかという程、ドクドクと暴れていた。
【この後、部屋に来て】
届いた一通のメッセージは、余計な装飾も何も無くすごく駒澤くんらしい。
……どうしよう。
すっぽかすわけにもいかないし。というか、何を言われるんだろう……。きっと、私の態度が悪かったことについて、だよね。
そこまで考えて、はあ、とため息をつく。
結構あからさまに目を逸らしちゃったりし、さすがの駒澤くんも私の様子が変だと思ったに違いない。
「謝らなきゃ……」
謝って、それで、断らなくちゃ。