本気の恋を、教えてやるよ。
「こ、駒澤くん……!?」
「いいか。稲葉が理解するまで、俺は何度でも言う」
「う、うん?」
戸惑いながらも稲葉が小さく頷いたのを確認し、俺はゆっくりと深呼吸して息を整える。
そして、稲葉を抱きしめる力を、少しだけ強めた。
「アンタが好きだ」
簡潔に、でも真っ直ぐに。
捻れることなく伝われと吐き出した言葉に、稲葉の体が固まったのが分かった。
そんな稲葉を逃がすまいと、逃げられないようにと、もっと強く抱きしめて、耳元で囁く。
「本気で……稲葉が好きだ。ずっと好きだった」
お願いだから、誤魔化そうとするな。俺の気持ちを、ちゃんと受け止めて欲しい。
自分勝手な事だとわかってた。
筒井とのことで稲葉がまだ混乱していることも、まだ告白する時期じゃないってことも。
だけどもう、抑えきれなくて。
力ずくだっていい。
アンタが欲しい。