本気の恋を、教えてやるよ。



「ま、ほんとに茉莉が一人ぼっちになっちゃいそうなら一緒にいてあげるわよ」


だからそんな不安そうな顔しない!と背中を叩かれて梓ちゃんを見上げる。


きっと梓ちゃんは、私と駒澤くんがもっと仲良くなれるようにって気を遣ってくれてる。


でも、私から駒澤くんを誘うには……まだ、覚悟も勇気も足りなくて。


こんなぐらぐらした気持ちのまま、自ら一歩を踏み出す強さは、私には無いから。


「……ごめんね、梓ちゃん」


思わず小さく謝れば、梓ちゃんは困ったように笑うのだった。




パーティ当日。


夜の部は社長挨拶から始まり、それが終わると早速自由行動となった。


本社だけではなく、各支社からも人が来ていて会場は活気に溢れている。


私は端っこの方のテーブルで、梓ちゃんと二人ご飯をつまみながらお喋りしていた。


たまに男の人に話しかけられたけど、それも梓ちゃんが大体対応してくれて。



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