本気の恋を、教えてやるよ。
興奮したように言葉を被せたのは佐川くんで、駒澤くんはそんな彼をじろりと睨みつけていた。
でも、本当に。
「駒澤くん、カッコイイ……」
ポロリと口から言葉が滑り落ちてしまい、あっと思った時にはもう遅く、駒澤くんが目を丸くして私を見ていた。
だけど、目を奪われるほど、駒澤くんは存在感があった。
いつもは無造作な髪も、今日は前髪を後ろに撫でつけるように掻き上げていて、ピッシリと整っている。だけど、ひと房こぼれ落ちた前髪が物憂げな瞳にかかり、どこか扇情的で。
ダークグレーのスーツ姿も、黒いシャツも似合っていた。駒澤くんは殆ど内勤だから、普段はスーツを着ていないから余計に新鮮で。
いつもはフード付きパーカーやダボッとした緩めの服を着ているから、それとのギャップがまたすごい。
梓ちゃんの言う通り、とにかく色気がすごくて、脚長いな、やっぱり肌が綺麗だな、なんて内心浮かれながら駒澤くんを見てると、私を凝視していたふたつの瞳がパッと逸らされた。