本気の恋を、教えてやるよ。



でもなんて言えばいいかわからなくて、モゴモゴと口ごもってしまった私を見下ろし、駒澤くんは「ああ」と頷いた。


「迷子防止?」

「っ、ならないよ!」


失礼な!とちょっと怒ると、駒澤くんが楽しそうに目を細めて笑う。


それから、甘やかに視線を煌めかせ、繋いだ指先に少し力が込められた。


「うそ。俺が触れてたいだけ」

「……っ、」


多分、私の顔は真っ赤だと思う。


駒澤くんから向けられる視線が、笑顔が、甘くて、可愛くて、優しくて、どうしてもドキドキしてしまう。


駒澤くんから与えられる柔らかい感情に包み込まれて、溺れてしまいそうだった。


いい所があるから、と腕を引かれ、私は赤い顔のまま大人しく着いていく。


前を歩くその後ろ姿を見ながら、やっぱりかっこいいなあ、と再認識。


背も高いし、姿勢も良いし、後ろ姿まで完璧だなんてすごすぎる。今も、すれ違う人が皆駒澤くんを振り返ってる。



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