本気の恋を、教えてやるよ。
絡められてた指先がそっと解かれた。
「寒かったら上着貸すから言って」
そう、駒澤くんがぐっと目の前の扉を押し開けると。
「わ……!綺麗……!」
広がったのは、光の街。煌々と輝く灯りの海だった。
「さっきちょっと会場から抜け出した時見つけたんだよね。ここ」
わっと手摺に駆け寄った私の横に、駒澤くんも微笑んで並び立つ。
駒澤くんが連れてきてくれたのはバルコニーで、眼下には都内の夜景が広がっていた。
まるで星々が地上に落っこちたみたいに、キラキラと輝く建物の明かりがすごく綺麗で、頬を撫でる夜風も気持ちがいい。
「寒くない?」
「うん!」
笑顔で応えると、駒澤くんも微笑み返してくれる。
「そ。可愛い格好だけど、薄着だからちょっと心配してた」
「えっ……」
サラリと告げられた褒め言葉に、こっちも軽く流せばよかったのについ反応してしまう。