本気の恋を、教えてやるよ。
目を丸くする私に、駒澤くんもきょとんとし──やがて、目を細めると私の頬を包み込むように撫でた。
「可愛いよ、似合ってる。他の男に見せたくないくらい」
全然、特別な服では無いのだ。
その辺のデパートに売ってるような、どこにでもあるパーティドレスで、いつもより少し手の込んだ髪型とメイクをしているくらいで。
なのにそんな風に慈しむような顔をされると、なんだか急に恥ずかしくなってきてしまう。メイクよれてたりしないかな?服、変な皺ついてたりしないよね?と突然落ち着かなくなってしまって。
私はスカートの裾をぎゅっと握りしめながら、「あ、ありがとう……」と消えそうな声でお礼を言うのが精一杯だった。
なんだか私が個人的に居た堪れない空気になってしまい、誤魔化すように駒澤くんから貰ったカクテルに口をつける。
駒澤くんは全然緊張も照れてもいなくて、そんな私を暫く優しく見つめていたけど、ふと、口を開いた。