本気の恋を、教えてやるよ。
#1.許すことが私の愛
もう、これで何回目だろう。
あきらめにも似た感情が、虚脱感となって全身をめぐり始める。
本当はそんなの可笑しいのに「見慣れた」と思うくらいに、目の前の光景が段々と当たり前になっていた。
乱れたベッドも。
散らばった洋服も。
私のモノじゃない、女物の下着も。
ベッドに知らない女の子と二人、寄り添いながら、平然と私を見つめる彼の目にも、もう、慣れてしまった。
彼の隣で慌てたようにシーツを身体にまきつけていた女の子も、隣の彼が慌てていないからか、既に落ち着きを取り戻している。
そして、爛々と、どこか勝ち誇るような視線で私を見ながら、私に見せつけるようにぴったりと彼に寄り添うその姿に。
果たして、私のとるべき行動とは?
泣くべきか。
怒るべきか。
逃げるべきか。
あの女の子を、追い出すべきか──。