本気の恋を、教えてやるよ。

「う……」


ば、バレてる。


狼狽える私に、梓ちゃんは追求の手を緩めない。


どうやら私が慶太と二人でいるのが、相当気に入らないらしい。


「で、理由は何？納得いく理由じゃなきゃ許さないからね」

「……ただ、誘われたから……それだけだよ」


──そう。

一週間ほど前に突然、殆ど音信不通状態だった慶太から連絡があった。


【茉莉さえ良ければ、時間の合う時はまた一緒に会社行こう。昼も、二人で食べたい】


簡潔にそれだけ綴られたメッセージ。──だけど、嬉しかった。


それはいつものような命令文じゃなくて、それこそまるで、世間一般的な彼氏彼女のやり取りのようで。


「……また前みたいな事になったらどうするの？もう、茉莉が傷付く所見たくない」

「ごめんね……。でも、慶太いつもと違うの」


いつもみたいに荒い言葉遣いじゃないし。

話題も振ってくれるし、ご飯も奢ってくれたりして。