本気の恋を、教えてやるよ。
#3.好きだからに決まってんだろ
『えっ、別れたの!?』
電話越しに聞こえてきた梓ちゃんの声はすごく驚いていて、信じられない、とでも言いたげだった。
「うん……別れた」
『え、い、いつ?』
「クリスマスの日」
──あれから、数日が経った。
週末が過ぎ、年始休みに向けて仕事が大詰めで忙しく、色々と整理が出来ないまま休みに入ってしまったけど、取り敢えず梓ちゃんには報告しないと、と思ってかけた電話。
私の言葉に、梓ちゃんは暫く絶句したように言葉を失っていたけど。
『……信じられない』
やがて、憎々しげにそう呟く声が聞こえてきた。
その声色があまりにも穏やかじゃなかったから、思わず冷や汗が滲む。
「あ、梓ちゃん?」
『信じられない!クリスマス……あいつから誘ったくせに……っ、』
その先を梓ちゃんが口にすることは無かったけど、言いたいことは分かる。
わざわざ別れ話をするために誘ったの?って感じだもんね。