本気の恋を、教えてやるよ。
ふと、視界の端に綺麗にラッピングされた箱が映った。
それは、慶太に渡す筈だったプレゼント。──渡せなかった、クリスマスの名残。
そしてふと、思い知る。
彼が私からプレゼントを受け取らなかった理由を。
……そっか、あの時頑なにプレゼントを受け取ってくれなかったのは、別れるから?
そうだよね。別れるつもりの女からプレゼントなんて貰っても困るよね。重いだけだ、きっと。
「はは……」
今更分かり出す真実が、胸を突き刺す。
『茉莉……』
「慶太はきっと、思い出作りをしてくれたんだよ」
『え?』
恋人に愛されなかった、可哀想な私に。
それでも慶太を信じ続けた私を哀れんで。
「最後に一時でも、恋人らしい体験をさせてくれようとしてくれてたのかも……」
『……なに、それ』
最低。と梓ちゃんが吐き捨てたのが聞こえた。
『でも、良かったじゃない。やっと別れられて』